放射能問題と原発の問題は、この日本にとって切っても切れないものとなった。
そしてこれらはイデオロギーの問題でもない。
これらの問題を、明日を担う若者達には、自分で歩き、自分で見て、自分で聞いて、自分の肌で感じる体験を基に、
自分で判断して、明日という未来を生きて欲しいと思い、先週、学生達を原子炉実験所に連れて行った。
今回は小出助教との会談ではなく、
現在、日本で唯一稼動している研究用原子炉を学生達に直に見てもらうためだ。
この実験炉では中性子を取り出すために、原子炉が使われている。
詳しくはこちらを参照⇒ http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/facilities/kur
ここでは中性子を使った実験や臨床が数多く行われている。
原子炉の中にある診療所
その事を思うとき、ふとこういう疑問に行き着く。
それは、「原子力はとても大事じゃないか!」と。
この質問を以前、小出助教にぶつけた人がいるのでその見解をここに載せてみようと思う。
Q:今回京都大学原子炉実験所を訪問させていただき、思ったことは原子力=原発でした。
ところが中性子の応用によって優れた医療用の技術にも用いられている事を知りました。
先生はこの事実をどのように受け止めてバランスをとっておられるのですか?
A. 小出助教:
私の職場は原子炉実験所ですので、何か原子力の推進のための研究をしていると思われる方がとても多いのですが、もともとここの原子炉実験所というのは、原子力つまりnuclear energyというものに関しては何の興味もないのです。
大学ですからもともとfundamentalな学問をする場所です。
物理学・生物学・化学・医学というfundamentalな学問が広大な広がりを持ち、その中で中性子という放射線を使用し研究をしたいという学問分野の人達が集まってどうすれば中性子を使えるかと考えたのです。
その時に原子炉さえ作ってしまえば、いくらでも中性子が出てくるので、それを使えばいいんだということに気が付いたのがきっかけ。
ですから原子炉を作ってその周りで自分たちの実験研究をするということで、原子炉実験所ができたのです。
ですからもともと原子炉そのものに興味があるわけではなくて、原子炉は道具なんです。
原子力というエネルギーをどうこうしようということにもともと何の興味もないのです。
ただ、そういう研究になにがしか役に立つということがあったとしても、原子炉を動かしてしまう限りは核分裂生成物という放射性物質を作り出してしまう。
けれどもそれを私たちは消す力がない。
消す力のない毒物を作りながらやるのだし、それに見合うだけのメリットが本当にあるのかということを、私たちの側、原子炉実験所の側として、きちっと立証できない限りはやってはいけないと私は主張しています。
放射化した物質をロボットアームを使い取り出したり・調べたりする部屋
物質を原子炉に近づけ、放射化させ色々と調べる。
動画はこちら
ちなみにこの窓の厚さはなんと!1メートルです。。。そうじゃないと被爆します。
放射化した物質は水の中で保管します。
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ともあれ、学生達にはとても良い機会になったようだ。
詳細の写真はこちら⇒ http://goo.gl/Idzra
また今回、とても印象的だったのは私たちのガイドをしてくださった職員の方のお話。
「原子炉というのはこんな研究用の小さいものでも、これだけのリスク・そしてコスト、何十もの検査・トラブルシューティングがあります。
私は原発反対派とかではないないけれど、一企業が何万キロワットの電力を供給するための原子炉を持つ事はコスト的にもリスク的にも負える代物ではない。
国が関わらないと無理なことです」
という発言でした。
原発を考えるならコストの事を考えてはいけないという事なんでしょう。
まさに東電のビデオにあった、海水注水を躊躇う東電本社、、、ですね。
会社ならコスト削減は当たり前ですからね。
まさに1企業が担える代物ではないという事を知らされるシーンなんでしょう。
原子炉を最後に止めるのはやっぱり人なんですね。。ホウ酸を入れて核分裂をとめます。そのときに使うホウ酸が入っている寸胴。
今の日本はどうなんだろう・・・本当にわたし達は考えていかなくてはならないと思います。
私は学生にいつもこう言います。
「マジョリティーではなく、マイノリティーになれ!」
と。
是非ともマイノリティーとして考えて欲しいです。
放射能関係のカテゴリーはこちら⇒ http://kyotohana.blog.shinobi.jp/Category/25/
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http://kyotohana.blog.shinobi.jp/Entry/609/原子炉実験所に学生を連れて行くの段!
COMMENT
無題
原子のお話、為になりました、使い方が大事なんですね。31日は地塩寮で聖書研究会なんですね
今日 テレビ「ちちんぷいぷい」で地塩寮から
中継してましたよ。