元記事&
最新記事はこちら⇒
https://readyfor.jp/projects/7803/announcements
支援者数:54人
存続プロジェクト達成率:31パーセント (2016/5/20 午前現在)
------------------------
10数年、災害支援の活動をしていると、よく「心のケア、心のケア」という言葉を耳にする。
そして特にそれが子どもの場合、「心のケアが必要になってきています」と報道などがなされる。
しかし、ここで大きな疑問が生まれる。
「いったい心のケアってなに??」と。
学校で問題が起きた時、いつもこういう言葉を聞く。
「スクールカウンセラーを置きます」
じゃあ、スクールカウンセラーが心のケアなんだろうか?
私ははっきりといえる。
【否】
これはいわゆる、対処療法でしかない。
ここ何年も子どもの問題を見てきた。
被災地のこども、貧困の子ども、シングルマザーのこども、海外の貧しい子ども、海外の貧しい中で災害にあった子ども達。
ちなみに日本のスクールカウンセラーのシステムは、
そこに常に常駐しているわけではなく、そして勤務も1年以上そこに留まるという事はかなり珍しい。
しかし、そんな状況で子どもの刻一刻と変化する状況を把握できるだろうか。
ちなみにアメリカなどのスクールカウンセラーは、常駐スタイルだ。
そして何年もそこに常駐し、子ども達との信頼関係を構築し、子ども達の変化に対応している。
これでもまだ大変な状況なのだから、日本のシステムが真に機能しているとは言い難い。
ただ、私は全て学校が負うべきだという考えには賛同できない。
これは私たちひとりひとりに出された課題であると思う。
どちらかという私たちは子どもの問題をすべて学校側にあると問題をすり替えているように思う。
確かに学校で問題は起こるだろう。
しかし、私が関わった子どもの多くは家庭の状況が一番行動や態度に反映される。
そしてその行動や態度は学校で現れることが多いので学校で問題が起こる。
うちの子ども会でも毎日子どもが来るので、やっぱり問題行動を起こす子はいる。
私はそのような子がいるとじっくり話うようにしている。
勿論、それで解決できない場合も多々あるので試行錯誤の連続だ。
絶対1+1=2にはならないのだから。
でも、子どもの意見を聞く機会が与えられることは、子どもにとっても必要なことだと思う。
頭ごなしに起こるのではなく、意見を聞く。
そうすると問題を起こす背景が段々と見えてくる。
そして子どもと大人の間に信頼関係が生まれるのだ。
私たちは信じてもらえるから、人を信じられるのだから。
問題行動起こすのはなぜ?と思うならば、ぜひとも絡まった糸を少しずつひもどくように、
私たち大人も子どもの意見を聞きながら、絡まったひも(問題)を解こうとする努力が必要なのだ。
しかし、実際はそんな時間をとれる余裕も大人にはなく、そして子ども自体も「脱ゆとり」という事で、友達と遊ぶ時間さえない。
今の小学生は「放課後、学び支援、学び支援!」という大義名分のもとで帰るのは夕方5時前。
勉強できてもコミュニケーション能力が本当に低くなっていると私は現場で実感している。
こんな社会でいいのだろうか。
先日、世界と飛び回っている世界的にも著名な方と食事をする機会があった。
その話の中で、
「海外の貧しい街に行くと、大きい子が小さい子の面倒を見たり、小さい子が大きな子にいろいろと相談したり、そんな世代間の交流がある。
でも日本はどこでそれを経験できるだろうか」
聖書の言葉に
「知識ばかり追い求めていくと、弱い人は滅びる」
という言葉がある。
これが将来の日本に当てはまる事がないよう祈るばかりだ。
小さい子がより大きな子に抱っこされる。そんな風景はほとんど日本で見ることがない。
私たちはどこでコミュニケーション能力を培う事が出来るのだろうか。
知識ではコミュニケーション能力は絶対に向上しない。
COMMENT