ここ数日話題にあがっている麻薬や覚せい剤。
昨日、防犯・更生保護関係者を対象とした「薬物依存は病気です」という講演会があり、
地域担当として参加し自分なりにメモしたのでご参考になればと。。。
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<現状>
今の日本では 高校生:36.2パーセントで簡単に手に入る と回答している。
大麻が入口。初犯で防ぐことが大切。
<医学的観点より>
依存症は脳のシナプス受容体が減少する病気である。
ドーパミンは
社会生活の中では努力⇒成功 ドーパミンが分泌
失敗 ストレス
【説明】
野生動物で言えば、狩りを行い、獲物を仕留めた瞬間、ドーパミンが分泌される。
まさに至福の時。
人間は、社会生活をしていく中で目の前の課題に対して努力していく。そしてその努力が報われた時にドーパミンが分泌され「至福の時」と感じる。
しかし、その努力が報われないとストレスと感じる。
これが続く負の連鎖が起こっているときに「依存/依存物質」に手を出してしまう。
これが大きな問題。
つまり、依存物質は何なのか?というと
【快感物質(ドーパミン)を安易にだす物質である】という事。
※実は薬物依存と行為依存(ギャンブル・ネットゲーム、買い物依存)構造的に一緒。
ただし、覚醒剤を使うと脳に急激な変化が起こり、抑うつ状態になってしまう。
その抑うつ状態はとても辛いので、通常の体に戻そうと、また覚醒剤を使用してしまう。
これを繰り返してより事態は悪化する(これが依存)
まさに一度、覚醒剤を使ってしまうと体や精神が極限に辛い状況が続くため、辞めたくても辞めれなくなるである。(使用者に対して薬物はダメ!!という言葉での説得は難しい)
どんどん使用すると幻覚・妄想状態が続く。
<治療>
依存症は治療ができる。そして極めて大きな成果が生まれる疾患である。
<対策>
・覚醒剤はすっと入ってくる。それだけに自然になりつつある。
・依存症治療過程にある人を受け入れる環境づくりが必要である。
<背景>
なぜ薬物に依存してしまうのか?
・ダルク(薬物依存自助団体)にいる人の半分は虐待された経験がある。
特に女性の場合、性的被害を受けていた(家庭や地域)
⇒心の傷やトラウマを忘れようとアルコールや薬物に手を出す。
しかし、辞めるとしんどくなってしまう、害を説いても難しい。
・また3割、軽度の知的障害や発達障害を持った方。
中学・高校で勉強が遅れ、家庭環境で勉強できる環境がないという不利なところから出発してしまうのにそれを助ける場所がない。
そのような中の背景にあり、
夜の仕事(風俗あなど)などで、
<人からチヤホヤしてもらった>ので夜の仕事がよかったという女性が多い。覚醒剤が身近にある環境に身を置いてしまう。
・家庭環境の状況:
愚痴をこぼせない。愚痴をこぼすと親から殴られるから我慢する。それが薬物を行うことになってしまうきっかけになる。
・地域からの排除も多い。
・2次的・3次的に被害を受けている人が利用してしまう
<課題>
辞めることをゴールにするのではなく、辞めた後のサポートをどうするか?というのが大きな課題。
<本当の治療とは?>
ープロセスー
覚醒剤治療の回復⇒繋がりを持つ事、他人を信頼できるようになる事、そして自分を信じられるようになる事。
再発の場合、親・更生保護施設に拒絶され、地域からも拒絶され、刑務所内の仲間を頼りに行かなくてはならないという悪循環に陥ってしまう。
<どんな支援が必要か?>
内科のニーズが多い。栄養状態が悪い。健康とは程遠い人が多い。
幼少期からカップラーメンやコンビニなどの食事ばかり提供された子という家庭環境が悪い人がほとんどで、
そういう健康について考えてあげていない状況が続いているのでまず、【健康とはどういうものか?】という事を教える。
【健康を保つ生活という事を知らないし、誰も教えてくれなかった】
だからこそ住宅街に一軒家をかりて健康を保つ生活の意義を教えるのだ。
自分はダメな人間だと思っている。地域で阻害されても1人だけでも支えがあったら変われる。
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<以上の事を聞いての個人的見解>
対処療法ではなく、背景を読み取り、包括的な支援の必要性とネットワークの重要性・理解の啓蒙が必要であると感じました。
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http://kyotohana.blog.shinobi.jp/Entry/1564/薬物は身近にある。薬物依存とその背景を考えましょう!
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